コラム

確定拠出年金と退職金前払いはどちらがお得?メリット・デメリット、選ぶポイントを解説

企業によっては、企業型確定拠出年金か退職金前払いかを選べるケースもあります。一般的には、企業型確定拠出年金のほうがお得になりますが、自分の状況や希望などを考慮して、どちらにするか検討するとよいでしょう。

この記事では、マネー初心者に向けて、確定拠出年金と退職金前払いについて詳しく解説します。ぜひ、参考にしてください。

確定拠出年金と前払い退職金はどちらがお得?

確定拠出年金と前払い退職金ではどちらがお得なのか、毎月3万円が拠出されると仮定してシミュレーションしてみましょう。

確定拠出年金がお得

確定拠出年金の場合、掛金として積み立てた3万円がそのまま自分のお金になります。私的年金の一種であるため60歳までは引き出せませんが、その代わり、税金や社会保険料がかからないので、3万円すべてを運用に使えます。

ただし、確定拠出年金の場合には、老齢厚生年金などの社会保障の受給額が減る可能性もあるため、その点だけは注意が必要です。トータルとしては、確定拠出年金のほうがお得ですが、マイナス面があることも把握しておきましょう。

前払い退職金は手取りが減る

前払い退職金は給与に上乗せされますが、社会保険料や所得税・住民税が差し引かれるため、手取り額が減ってしまいます。例えば、年収400万円の場合、給与に対する税率は所得税5%、住民税10%、社会保険料15%となります。3万円を給与に上乗せする場合、所得税は500円、住民税は1,000円、社会保険料は1,500円のため、実際に受け取れる額は3万円-3,000円=27,000円です。

30~60歳までと仮定すると、毎月3,000円×12か月×30年=108万円が引かれるため、確定拠出年金よりも手取りは少なくなります。

確定拠出年金を選ぶメリット

選択制確定拠出年金の場合は、確定拠出年金と退職金前払い制度、どちらを選べばよいのか迷ってしまう人も少なくありません。ここでは、退職金前払い制度と比較した際に、確定拠出年金を選ぶメリットを解説します。

掛金が非課税になる

確定拠出年金の場合、掛金が非課税になります。前述しましたが、毎月3万円を積み立てる場合には、非課税となるため全額を運用に回せます。一方、退職金前払いとして受け取る場合には、給与に上乗せされた分から、所得税や住民税、社会保険料などが差し引かれるため手取りが減りますが、確定拠出年金はその心配がありません。

運用益が非課税になる

確定拠出年金は積み立てた掛金を運用しますが、掛金同様、運用益も非課税となります。一般的な投資の場合では、運用して利益が出た場合、20%が課税対象になります。しかし、確定拠出年金は非課税のため、得た利益をさらに投資に回す複利運用もしやすく、効率的に運用できます。

受け取り時に所得控除の対象になる

確定拠出年金は、受け取る際にも税制優遇を受けられます。確定拠出年金の受け取り方法は、一時金として一括で受け取る方法と、年金として分割で受け取る方法の2種類に分けられます。一時金として受け取る場合には退職所得控除が利用でき、年金として受け取る場合は公的年金等控除の利用が可能です。

確定拠出年金を選ぶデメリット

確定拠出年金を選ぶ場合には、デメリットもあります。以下では、2つのデメリットについて解説します。

60歳まで引き出せない

確定拠出年金は、原則として60歳までは引き出しできません。たとえば、病気や教育費など、急にまとまったお金が必要になったという場合でも、積み立てたお金を引き出すことはできないため注意しましょう。しかし、60歳まで引き出せないということは、強制的に貯められるということでもあります。手元にお金があると使ってしまう人でもまとまった貯蓄ができるでしょう。

運用次第で元本割れのリスクがある

確定拠出年金は、企業が負担する掛金をもとにして自分で運用していくタイプの私的年金です。そのため、将来の給付額は運用結果次第となり、決まった額が受け取れるわけではありません。投資は絶対に上手くいくというものではないため、運用状況によっては資産が減り元本割れするリスクもあります。逆に、運用が上手くいけば資産を増やすことも可能です。

退職金前払い制度を選ぶメリット

確定拠出年金と比較した際に、退職金前払い制度を選ぶメリットは何なのでしょうか。以下では、2つのメリットを解説します。

毎月の手取り額が増える

退職金前払い制度は、毎月の給与に上乗せされて支給される制度です。そのため、毎月の給与の手取り額が増えます。一般的な給与と同じように使い道も自由です。たとえば、毎月の生活費の足しにしたい、教育費などのために貯金したい、習い事や資格を取る際の資金にしたいなど、自分の好きに使えるお金が増えます。

退職金がもらえないリスクを回避できる

退職金の支給は、業績悪化によるリストラや不祥事で退職金が減額される可能性もありますし、企業が倒産してしまい退職金が支給されないケースもあるでしょう。退職金前払い制度なら、将来的に退職金がもらえないといったリスク回避にも役立ちます。

退職金前払い制度を選ぶデメリット

退職金前払い制度にはデメリットもあります。ここでは、退職金前払い制度のデメリットを2つ紹介します。

掛金が所得税・住民税の課税対象になる

退職金前払い制度は、給与として支払われるものです。そのため、通常の給与と同様に所得税や住民税の課税対象となります。毎月自由に使えるお金は増えますが、税金が引かれる分手取り額として減ってしまいます。確定拠出年金と比較すると税負担が重くなるため、節税したい場合には確定拠出年金のほうが向いているでしょう。

退職金の総受給額が少なくなる

確定拠出年金を選んで退職金を一括で受け取る場合より、退職金前払い制度のほうが総受給額は少なくなります。退職金は一般的に、定期預金や金融商品などで資産運用をしており、最終的に運用益が加算された形で支給されます。しかし、退職金前払い制度は積み立てずに随時給与に上乗せされるため、運用益が加算されません。そのため、総受給額が少なくなります。

希望に合わせて選ぶのが重要

確定拠出年金と退職金前払い制度には、それぞれメリット・デメリットがあります。両者の利点や欠点をよく検討し、老後の蓄えや将来に投資したいのなら確定拠出年金、今すぐお金を受け取りたいなら退職金前払い制度を選ぶとよいでしょう。退職金前払い制度を選んでも、後から確定拠出年金に変更できる企業もあるため、事前に自社の制度をよく確認してください。

まとめ

企業型確定拠出年金は、企業が掛金を拠出して社員が自分で運用します。将来への投資なら確定拠出年金、今お金を受け取りたいなら退職金前払い制度を利用するなど、自分の状況や希望などに合わせて選択しましょう。

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