コラム

年金受給者もふるさと納税はできる?メリットや手続き方法、注意点について解説

ふるさと納税は、ふるさと(各自治体)に寄付することで、一定額が税金から控除される制度です。誰でも制度を利用できるため、年金受給者も気軽に申し込めます。

この記事では、ふるさと納税を検討している人に向けて、メリット・手続き方法・注意点を解説していきます。ふるさと納税の活用に役立ててください。

年金受給者はふるさと納税を利用できる?

ふるさと納税は年金受給者も利用できるのでしょうか。まずは、ふるさと納税の仕組みについて解説します。

誰でも寄付が可能

ふるさと納税は、自治体に寄付することで、住民税・所得税の控除を受けられる仕組みです。控除の上限額は年収・家族構成によって決まっており、上限額を超えた分は全て自己負担となります。メリットが得られるかどうかは、収入と家族構成によって異なるので、条件を事前にチェックすることが大事です。

また、制度は誰でも利用できますが、住民税・所得税が課税されない人は控除が受けられないため、寄付金は全て自己負担となります。お得に利用できるかどうかは、各世帯によって変わるので気をつけましょう。

ふるさと納税をするメリット

ふるさと納税をするメリットについて解説していきます。制度を利用したことがない人は、下記を目安に検討してみましょう。

返礼品がもらえる

ふるさと納税は、ふるさとに寄付する制度のため、お礼として各自治体から特産品・名産品が送られてきます。地ビールやお米、ご当地グルメセットなど、各自治体が様々な特典を用意しています。

寄付金の額によって返礼品の内容が異なるので、自治体ごとのラインナップを確認しておくのがおすすめです。ただし、あくまでも自治体への寄付であるため、被災地支援に全額利用されるなど返礼品がないケースも存在します。

好きな自治体を応援できる

ふるさと納税は、ふるさとへの寄付を目的としていますが、ふるさとの定義は人によって異なるため全国各地どこの自治体に寄付しても構いません。一つの自治体に集中して寄付するか、複数の自治体に分けて寄付するかは好きなように選べます。

寄付金の使い道を指定できる

ふるさと納税をする際は、自治体によっては寄付金の使い道を指定できるところもあります。公共設備の整備や福祉の充実など、様々な使い道が用意されています。自治体が困っていることに利用して欲しい、という場合は使い道を指定しなくても問題ありません。地域の活性化を図る目的で寄付する人も増えています。

税金控除を受けられる

ふるさと納税を利用すると、住民税・所得税の控除を受けられます。寄付金から2,000円引いた額が、住民税と所得税から控除されます。年収や家族構成によって控除の上限額は異なるものの、住民税・所得税が課税されている世帯では節税することが可能です。自己負担額2,000円で、カニやお酒などお得な返礼品をゲットできます。

年金受給者がふるさと納税を始める方法

年金受給者がふるさと納税を始める方法と、税金控除を受ける手続きについて解説します。手続き方法は一般の人も同じなので、制度を利用する際は以下の手順で進めてください。

1.控除限度額を確認する

ふるさと納税は、所得税・住民税を控除できる限度額内で寄付すると、自己負担額2,000円でお得な返礼品をもらえます。ただし、限度額を超えると、寄付をしても税金の控除の対象にはならないので注意が必要です。所得税からの控除は、ふるさと納税額から2,000円引いた額に所得税率を乗じて算出できます。

対して、住民税からの控除額は、基本分と特例分を足した額となります。基本分は、「ふるさと納税額から2,000円を引いた額」に10%乗じた額です。特例分に関しては、「ふるさと納税額から2,000を引いた額」に、「90%から所得税の税率を引いた額」を乗じて求められます。

所得税と住民税(基本分と特例分)を合わせた控除額に2,000円を足した額が、控除を目一杯使える寄付金の上限となります。

2.自治体と返礼品を決めて寄付をする

ふるさと納税は、各自治体の窓口に直接寄付できるほか、ふるさと納税に特化したサイトを利用して寄付することも可能です。全国各地にある自治体の返礼品をチェックしたいときは、サイトを活用すると簡単に比較できます。また、サイトによってはクレジット決済もできるため、10分程度で簡単に手続を済ませられます。

3.返礼品と書類を受け取る

ふるさと納税を申し込むと返礼品が届きますが、時期は商品や自治体によっても異なります。寄付金の受領証明書に関しては1カ月前後で届くため、確定申告まで大切に保管しておきましょう。

確定申告には1~12月末までの間に手続きした受領証明書が必要なので、忘れずに取得しておいてください。紛失した場合も、自治体によっては再発行が可能です。

4.確定申告をする

ふるさと納税で6カ所以上の自治体から返礼品を受け取った人や、個人事業主など元から確定申告が必要な人は、寄付金の控除申告をする必要があります。

寄付金受領証明書・1~12月までの源泉徴収票・本人確認書類を添付の上、白色申告・青色申告の用紙に必要事項を記入して所轄する税務署長に提出しましょう。郵送またはe-Taxで送付でき、例年2~3月頃が提出期限となっています。

ワンストップ特例制度を利用する方法もある

ワンストップ特例制度の条件を満たすと、確定申告をせずに控除手続きが完了します。全て住民税から控除されるため、所得税の控除をするには確定申告が必要です。ここでは、制度の概要と手続き方法を解説していきます。

制度の概要

ワンストップ特例制度を利用するには寄付先に「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」の提出をする必要があります。同一自治体に複数申し込む場合でも、都度提出が求められます。また、制度を利用する場合は、1~12月末までに寄付する自治体が5か所以内でなければなりません。

ただし、元から確定申告が必要な人、年収2,000万円を超える所得者・個人事業主・医療費控除を受ける人は、ワンストップ特例制度の対象外です。年金を受給している場合は、公的年金を含む収入金額の合計が400万円以下の人はワンストップ特例制度が利用できます。

手続き方法

ワンストップ特例制度を利用する場合は、「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」を自治体あるいは各ふるさと納税サイトから印刷して記入してください。申請書と一緒にマイナンバーカード(通知カード)、および本人確認書類を添付します。

申請書類一式は寄付先の自治体に送付が必要ですが、翌年1月10日必着なので注意しましょう。申請後に住所や名前の変更があった場合は、「申請事項変更届出書」を上記期日まで提出する必要があります。

年金以外に家賃・給与収入がある場合

公的年金以外に、家賃や給与といった収入がある場合、それらも含めて税金控除の対象となります。他にも、確定給付年金・確定拠出年金・個人年金・個人型確定拠出年金などに加入している際は、収入にカウントされるので総所得金額の算出方法に気をつけてください。全て合算した額からふるさと納税控除の限度額を計算し、控除の手続きを行いましょう。

年金受給者がふるさと納税を利用する際の注意点

最後に、年金受給者がふるさと納税を利用する際の注意点を挙げていきます。ふるさと納税を利用する際は下記に気をつけて申請しましょう。

年金の受給額によってはメリットが得られない

公的年金を受給する場合は、市区町村民税・都道府県民税・住民税が課せられます。しかし、所得税は収入が65歳未満108万円以下・65歳以上158万円以下、住民税は収入が65歳未満105万円以下・65歳以上155万円以下だと課税されません。

単身者のケースなので夫婦世帯はまた課税対象額が異なりますが、年金受給額によっては課税対象外となる可能性があります。課税にならない年金の受給額だと、控除が受けられずメリットが得られないので注意しましょう。

確定申告が必要な人はワンストップ特例制度が利用できない

公的年金の受給以外にも、積み立てた確定給付年金が支給されるなど、収入額が400万円を超える場合はワンストップ特例制度が利用できません。また、医療費の負担が年間10万円を超えて控除を受けるなど、確定申告をしなければならないケースでは、ワンストップ特例制度は利用できないため注意が必要です。

税金控除の同時利用に注意する

ふるさと納税を利用する際は、社会保険料控除・医療費控除・住宅ローン控除の併用に注意してください。たとえば、住宅ローンの控除を受ける場合、確定申告をすると先に所得税からふるさと納税の控除が適用され、充当できなかった額については住民税の控除に回されます。

しかし、住民税の控除は限度額が決まっているため、超過した分は切り捨てされるので節税効果を十分に発揮できません。超過した額は自己負担での寄付になります。

まとめ

ふるさと納税は上手く利用すると、自己負担額2,000円で豪華な返礼品を受け取れます。ただし、所得税・住民税が課税にならない人や、控除の併用で超過して節税効果が得られない人は注意が必要です。寄付目的なので問題ないと割り切れる人なら良いですが、節税のために利用する人は条件をきちんと確認しましょう。

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