副業については、就業規則で禁止されている会社もまだ多いようですが、ここ1~2年で副業も可とする企業も少しずつ出てきて、社会全体で副業に対する考え方の変化が見られます。厚生労働省も「平成29年3月28日働き方改革実現会議決定」を踏まえ、副業・兼業の普及促進を図っていて、就業規則のモデル例も副業禁止の内容が削除されるなどしています。
それでは、投資は副業にあたるのでしょうか。まず、一般的な副業について考えてみます。例えば、勤務終業後や、休みの日に別の会社で働くのは副業の代表的なものですが、自分が作った物を売る、自分で仕入れて物を売る、原稿を書いて原稿料を得る、講師を頼まれて講演料を得るような場合には事業所得、雑所得となる場合もあることが考えられます。
1・1.事業所得とは
国税庁のホームページでは、「事業所得とは、農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業を営んでいる人のその事業から生ずる所得をいいます。」とあります。
一般的に考えますと、独立して、反復・継続的に事業をおこなって収入を得る場合は事業性があると言えます。たとえば、毎週定期的に物を仕入れて、売って利益を得るような場合は事業性があるとみなされて事業所得となり、課税対象になります。一方、自分が着なくなった衣類や使わなくなった物品をフリーマーケットやネットで売って小遣いの足しにする場合は、日常生活用品を売るだけの行為なので、事業とはみなされません。
1・2.雑所得とは
国税庁のホームページでは、「雑所得とは、他の9種類(※)の所得のいずれにも当たらない所得をいい、公的年金など、非営業用貸金の利子、著述家や作家以外の人が受ける原稿料や印税、講演料や放送謝金などが該当します。」とあります。会社員の人が、外部機関から頼まれて講師をして、講師料をもらったり、ちょっとした原稿を頼まれて書いた結果、原稿料を受け取ったりする場合は雑所得になります。講師を専業にして収入を得ているような場合は、事業所得になります。
※9種類の所得は利子・配当・不動産・事業・給与・退職・山林・譲渡・一時所得を指します。
副業を認めるにあたって会社が懸念している点ですが、厚生労働省のガイドラインでは、「自社での業務がおろそかになること、情報漏洩のリスクがあること、競業・利益相反になることなどが挙げられる。」とあります。では、投資が副業にあたるか否かですが、一般的に投資は「資産運用」であり、副業に該当しないと言われています。ただし、株式投資を就業時間中に頻繁に行う、会社で得た機密情報を投資に利用する(インサイダー取引など)、明け方までFX(エフエックス)取引(外国為替証拠金取引)をおこなったため昼間の就業に差し障りがあるような場合には、服務規律違反や就業規則違反に問われる可能性があります。
国家公務員と地方公務員が兼業及び会社を営むことが違法であることは、国家公務員法第103条および第104条、地方公務員は地方公務員法第38条で明確に定められています。株式投資は、法で定められている他の会社との兼業には該当しませんし、個人で株の売買に取り組むだけなので会社の運営にもならないので、副業に該当しないと言われています。
副業ができない方でも取り組める、最適な投資方法は、目的によっていくつか考えられます。
1)老後に備える...公的年金をカバーするものなので、長期に積立していくのが適切で、iDeCo(個人型確定拠出年金)、NISA(ニーサ)、積立NISAなどが挙げられます。
2)定期的な小遣い稼ぎのため...定期的にプラスアルファのお金が入ると生活にも潤いが出てきます。定期的にお金が入る投資は、配当金目的の株式投資などが挙げられます。配当利回りや配当性向の高いものを基準に選んでいくことになります。銘柄によっては、株主優待がつくものがあり、飲食の優待券や商品の提供があって基本生活費の節約につながります。
3)目的買いのため...ほしいものを購入するために比較的短期でお金を増やしたい場合です。これが一番難しい選択になります。投資は気持ちに余裕をもって長期的スタンスでおこなうのが望ましいのですが、これに反する行為になります。目先の利益にとらわれてしまうと損失を招いてしまう恐れがあるので注意が必要です。投資の経験が長く、リスクを大きく取っても構わない、投資に慣れている人はFX取引にレバレッジ(証拠金として預けた資金の何倍もの金額での取引)をかけたり、株式信用取引(預けた保証金の範囲までの取引)で短期売買により利益を上げたりしている人がいます。
4)投資したいがお金はかけたくない...最近ポイントで投資ができるようになりました。貯めたポイントを投資商品で運用します。お金の現物拠出がないので、負担なくポイントで投資が経験でき、投資商品の理解にもつながり、手軽で有効な投資方法と言えます。
投資は副業にはならないのが一般的ですが、会社の就業規則にもよります。ご自身の会社の就業規則を把握して、本来の仕事に差し障りのない範囲で投資をおこなっていくことが重要です。
IOSマネーセミナーでは、 Webで学べるマネーセミナー「いまスグ活かせる!マネーと保険の基礎講座」を無料で公開しております。これまで全国各地で6,000回以上開催、参加者80,000人以上の人気セミナーをオンラインで視聴できます。お金の貯め方・ふやし方、保険の仕組みなど、お金の基本について学ぶことができます。ぜひお気軽にお申し込みください。
自動チャットで
セミナー日程をご案内します